ABU’s blog

世界競馬場めぐりと旧街道を行くの続編

世界競馬場めぐり 第12回 真夏のサラトガ競馬場

アメリカ競馬場の連投。次はニューヨーク州サラトガ競馬場です。

ニューヨーク州といっても、マンハッタンからは200キロ以上北にある、高級避暑地のサラトガスプリングにある競馬場。真夏のダービートラヴァーズステークスでも有名です。南北戦争後の競馬再開がここからはじまったので、それ以来アメリカ競馬を牽引する存在です。

ここは軽井沢に競馬場があるようなものなので、開催は夏のみ。しかも参列者は一様にバカンスに来ているParty Peopleです。場内いたるところで楽しい歓声があがっており、パーティーと競馬を同時にやっているような感じで、その場にいるだけで楽しくなるようなところです。実は持ち回りのブリダーズカップを除くと、アメリカで年間最多のG1を開催しているのはサラトガ競馬場。シーズンに対する考え方の違いですね。ちなみにアメリカはフロリダを除くと基本春から秋がオンシーズンです。

競馬場もすばらしいのですが、そこから徒歩圏内にある競馬の殿堂博物館。ここの展示内容は圧巻の一言。アメリカ独立前からのアメリカ競馬の歴史が、超貴重な資料とともに展示されています。殿堂はデジタル化されているのですが、情報量が多すぎてとても全部みることは不可能です。

さらに競馬場も博物館もギフトショップの品揃えがすばらしい。これも買っていたらキリがないほどです。

また競馬開催日は調教を見ながらの朝食という世界でここだけ(?)のサービスがあります。こちらも貴重な体験です。

さらにとなりが調教コース。こちらも種々のツアーがあり内部の見学ができます。北米リーディングを何度もとっているスティーブン・アスムッセン厩舎(兄は騎手のキャッシュ・アスムッセン)もありました。

世界一来たかった競馬場でしたが、想像以上にすばらしい競馬場、そして周辺施設でした。

 

 

世界競馬場巡り 第11回 デラウェアパーク競馬場


実に久しぶり5年ぶりの海外競馬場。これから半年間はアメリカ生活になったので、おそらく東海岸の競馬場アップが続きます。

まずは自宅に一番近いデラウェアパーク競馬場。アメリカで一般的なカジノ併設のタイプ。こういうところはカジノにだけ人がいて競馬は寂しいこともしばしばなのですが、行った日は夏休みだからか平日開催にもかかわらずそこそこの人の入り。馬券親父だけでなく家族連れのお散歩コースにもなっているようで、ほのぼのする雰囲気です。同じパーク内にはゴルフ場などもあるようです。屋内のレストランもそこそこ賑わっていて、馬券親父達がビール片手に楽しそうに談笑してました。これはもう世界共通。

有名な大きなレースはないのですが、ここでデビューして出世した馬には、悲劇の名馬バーバロ(2006年ケンタッキーダービー馬)がいます。デビュー戦がデラウェアパークの芝だったことにおどろきです。

馬券は連勝よりも単勝が一番売れている模様。複勝に二着払いと三着払いがあるのですが、出走頭数が少ないので、三着払いはほとんど売れていません。穴に突っ込むとオッズを動かせるレベルです(平日平場で三着払いは1000ドルくらいしか売れてない)。おそらく平均的アメリカの競馬場と言えるでしょう。アラブのレースを今でも珍しく開催しているとの情報もありましたが、確認した限りではわかりませんでした。

ちなみに競馬場のあるウィルミントンは、ダウンタウンは超危険な殺人多発地帯なのですが、郊外は平和。日本でいうと那須のような豊かな自然と過ごしやすさを兼ね備えた素敵な街です。

 

世界競馬場めぐり第10回-2 地方と中央いいとこどりの盛岡競馬

2019年の夏休み後半戦は盛岡遠征です。

ヴィーナススプリントの開催されるお彼岸の盛岡競馬場に参戦します。

 

競馬場は郊外にあるので駅前から無料バスで向かいます。

スタートは11時半とかなり中央にくらべて遅い印象。かわりに最終発走は17時半です。

駅前から30分ほどで辿り着くと、とても綺麗な競馬場、広大な駐車場の盛岡競馬場にたどり着きます。

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中はJRAの競馬場に非常に近い建築で、それをコンパクトにした印象です。

土曜日のためか客層も家族連れなど幅広くいました。

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早速の第一レース。枠複の偏りに気づいて、馬複の予定を締め切り直前に変更。

なんと馬単を超える配当の枠複をゲット。地方の午前はこれがたまりません。

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その後レースが進むにつれて偏りは解消していきましたが、

基本的に最終5分前から本命サイドのオッズはガクンと下がります。

だいたい単勝200円→150円、くらいには変動します。人気サイドを買うときはここは加味しなければいけません。

基本的に一番の売り上げは三連単なので三連単の人気順に最終的には収束すると覚えておけば大丈夫でしょう。

 

競馬場グルメは入り口からすでに香ばしい煙の匂いがします。

入り口とパドックの間にある屋台村で、

名物ジャンボ焼き鳥を注文します。

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デカイ!(馬券は大きさ比較のため)

うまい!

これは過去競馬場グルメの中で最高峰に属する味です。

私盛岡住んでたら毎週2本食べてます。

 

競馬そのものは古馬の7割方は元中央馬。

中央未勝利の馬、他の地方競馬からの転厩馬の取捨が勝負のポイントになりそうです。

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枠の有利不利も少なく、予想しがいのある競馬場です。

雰囲気もすばらしくぜひまた参戦したいと思います。

 

 

世界競馬場めぐり第10回-1 平日金沢は馬券親父天国

2019年、令和最初の夏休みは当初予定していた香港がデモで大荒れのため、

急遽変更して金沢・盛岡の二本立てです。

まず金沢です。日曜日開催もありますが、訪れた時は平日火曜日開催。この時点でいろいろと想像ができます。

観光客の多い金沢駅東口ではなく、反対の西口のバスターミナルの一番端っこから競馬場行きシャトルバスに乗ります。

ちなみに駅ナカセブンイレブン競馬専門紙が4紙販売されており選びたい放題です。バスは15-20分はかかるので、暇な車内のお供に最適です。

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100円払って入った場内はザ・地方競馬

場内で酒を飲んでいる人は意外と少なく、みんな神経にオッズとにらめっこです。

総売上額が少ないため、オッズは不思議な偏りをみせます。

単勝5番人気くらいが馬連では圧倒的一番人気だったり、

単勝だけ異様に売れている馬などです。

これは実に難解です。

難しすぎるので寿司にします。入り口近くの名物金澤玉寿司。

3つで250円の安価な寿司と、フレンドリーなおばちゃん(おばあちゃん)の接客は満点です。

ちなみに9R終わった時点ですでに寿司屋は閉まっていました。

営業時間は要注意かもしれません。

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さて難解なレース。1400m、1500mがほとんどの開催コース。

見ての通り、最前列に陣取る人は稀有です。

金沢に 馬より少ない カメラ小僧

不利なインコースをいかにさけるかの騎手間の争いは見ごたえありです。

 

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2016年に改装したそうで、立派なスタンドも併設されています。

特に3階スタンドの一番左端は和風文化加賀の国をアピールするかのごとく畳仕様です。風情があります。

 

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まあ当然馬券親父の寝床になります

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肝心のレースでは最低人気の圧勝→ブービー人気の圧勝。

わかりません、金沢競馬・・・

 

 

 

 

 

旧街道をいく 第8回 さらば静岡県

伊勢参り8回目は浜松からスタートです。

まずは平坦な住宅街の街道沿いをまっすぐ西に向かいます。終盤だったら心が折れそうな実に単調な道です。10キロと少し進むと浜名湖が見えてきます。

浜名湖は近づいても磯の香りはあまりしません。海というよりはやはり湖なのだなということを実感します。

昔はここに橋はなく船で渡っていたそうです。今は渡し船がありませんので、ほぼ同じ位置に発着するJR東海道線弁天島駅から新居町駅を利用します。

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数分で新居町駅につくと、目の前には浜名湖競艇がお目見えします。

ここは当然ひと勝負。浜松らしいものとしては餃子フライがあり、これを食します。

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ここは新居宿なのですが、ここからは浜名湖沿いを進むJRとはお別れして海に近い道に行きます。のどかな国道脇の側道をだらだらと進みますが、すこし蛇行しているためか思いのほか時間がかかります。白須賀の宿は高台にありますので、ここを登るために潮見坂を登ります。浮世絵にも描かれた太平洋が美しく見える坂です。

 

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坂の上には郷土資料館のようなものがあり、なかなか充実した展示です。急激に登る東京側とは違い、ゆるやかに下っていきます。途中からふたたび国道に合流。ここでついに愛知県に入ります。静岡県を抜けるのに丸5年かかりました。

 

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ここから先は二川宿まですこしだけ下ります。二川宿は古い雰囲気を残しています。

 

二川の先は火打坂という坂をすこし登り、台地の上を進むようになります。国道を歩いていくと、ほどなく豊橋市路面電車に遭遇します。ここから豊橋の街、旧吉田宿は目と鼻の先です。城下町らしい直角に何度か曲がる街道をすすみ、豊橋駅前。喫茶店では何もいわなくともモーニングが出てきました。さすが愛知県です。

 

今回はここまで。次回はJRではなく名鉄沿いをすすんで岡崎を目指します。

旧街道をいく 第7回 (2018年5月6日)

伊勢参り7回目は藤枝から出発です。

静岡駅から藤枝駅間の電車内は「さわやかウォーキング」なるイベントの集団と重なり満員に。初老の元気な方々は藤まつりに向かうようでした。団塊の世代はやはり元気です。

藤枝から島田までは現在のメインの車道と並行した旧道を進みます。途中日本三大奇祭の開催される大井神社を通り、島田宿までは淡々とした道のりが続きます。

島田宿は現在も駅前商店街です。どうしてもシャッターが目についてしまいますが、お菓子屋さんとなぜか玩具屋は複数元気に営業していました。「街道一の鯛焼き」をうたっている店もありました。街道は長いですよ。

島田宿を越えるとすぐに大井川です。往時の大井川の川越えを思わせる史跡が並び、すぐに大井川にあたります。現在は当然橋がかかっているのですが、なるほど上から見ても流れは急です。晴天続きでしたが、普段からこの流量であれば荷物を持った旅人が自力で渡るのは危険を伴うかもしれません。江戸防衛の重要拠点を実感します。

橋を渡り金谷に着くと、じわじわと登り始めます。金谷駅前からは当時を再現した石畳の坂が待ち構えます。途中のおしゃれな石畳茶屋で昼食をとり、ここから坂を登ります。一度登って下ると間の宿である菊川に到着します。ここは菊川という川に沿って広がる山間の集落です。現在の菊川駅とは山一つ離れたずいぶん違う場所にあたります。ここからさらにひと登りして小夜の中山峠に向かうのですが、正直予想外のきつさでした。地図上は一直線の道なので、たいした坂ではないだろうとタカをくくっていたのですが、直線なのに容赦ない角度で登ってきます。八十八夜の新茶畑の中を延々と登り続けた中山峠の標高は262m。東海道三大難所(箱根・鈴鹿・中山)と言われるだけのことはあります。峠を越えてからは緩やかに下りますが、次第に傾斜がきつくなります。日坂宿の直前にある二の曲がりは危険を感じるほどの下りです。

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日坂宿は国道1号が通るのですが、現在の電車路線からは離れているので寂しい印象です。しかしこういうところほど古い建物がかなり残っており、宿場町としての史跡を残そうという努力がみられるため、当時を偲ぶにはよい風景です。通り沿いの家に昔の屋号をかかげるのもこういった宿場では何度目かです。

ここから次の掛川までは、例によって国道沿いの脇道です。アップダウンも少なくだらだらと続きます。夕刻に掛川宿につきますが、まだ時間が早いためさらに進みます。天竜浜名湖鉄道をくぐって平坦な田園地帯を進みます。途中善光寺というお寺があります。ここは江戸京都の中間点という由緒あるお寺で、別名仲道寺と言います。道中の安全を祈願して先に進みます。袋井に近づくと、道中至る所に「東海道のどまんなか」というアピールが入ります。街をあげてのアピールはどまんなか田沼を思い起こします。足も疲れてここで1日目終了です。

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2日目は袋井からまず見附(磐田)に向かいます。しばらく進んで太田川を越えると磐田市に入るのですが、ここで突然アップダウンが始まります。袋井市の平坦さとは大きな違いです。磐田駅近くの高台が見附宿になります。名前の由来が初めて富士山が見えた場所というのは高台だからということがわかります。ここから下ると天竜川流域の広大な平野が広がります。見附宿は太田川天竜川の分水嶺なのです。静岡県はことさら分水嶺を感じやすいのが魅力です。

またもさわやかウォーキング集団と遭遇して、しばらく進むと暴れ川で名高い天竜川に当たります。これまでの河の中でも最大幅といってよい河です。広大な遠州平野を作った恵みの河でもあります。橋の上から浜松宿方面にことさら大きなビルをみることができます。10キロ先からでもわかるこのビルは200m超えの浜松アクトタワーです。ここからはFF2の竜巻のようにこの塔を目指します。この日は気候がいいこともあったのか、同じような東海道を歩く人に3人も会いました。東行きは一人もいないのが不思議です。

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浜松駅前は大都会です。アクトタワーの大きさに驚愕して今回は終了です。次回は浜名湖に挑みます。

世界競馬場巡り 第7回 ~ベルモント競馬場「平日」開催~ (2016年10月2日)

さて久しぶりの海外競馬はNew Yorkです。
郊外のQueensにあるベルモント競馬場は言わずと知れたBelmont Stakesの開催地です。
アメリカでも最大規模の競馬場で、Breeder’s Cupも4回開催しています。
他の人の観戦歴を見る限りでは電車(Long Island Rail Road)が乗り入れており、そこから専用通路で行けるとのこと。東京競馬場正門前駅のようなイメージです。
今回は平日に時間が取れたので、地下鉄から電車と乗り継いで行くことにしました。

海外競馬ではよくあることですが、平日開催の競馬は非常に閑散としております。
そしてここは車社会アメリカ。とんだ落とし穴にはまってしまいました。

まず地下鉄から電車の乗り換え駅のJamaica駅につきましたが、ベルモント競馬場行きがよくわかりません。
駅員に聞いてみると、1日2本だからもう終わったとのこと。
バスかタクシーだと言われましたが、バス停もよくわからず困りました。
電車の最寄駅からはおそらく2キロくらいなので、そこから歩くかタクシーを捕まえることにしました。
Jamaicaから二駅のQueens Villageはただの田舎の駅で、バスもタクシーも駅前にはありません。人通りもまだらですが、行くしかないため歩くことにしました。
このあたりの住民は90%以上黒人のようです。迷子になったらどうなるのかわかりませんが、信じて進むのみです。
住宅地を1キロほどいくとBelmont Park行きのバス停を発見。なんとかたどり着くことができました。

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平日の競馬場は廃業直前の地方競馬場くらいの人の入りです。
周辺は黒人しかしないのに、なぜか競馬場の人は白人、ヒスパニック、黒人のおじさんがバランス良く遊んでいました。車で来場するのがスタンダードのようです。

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新聞を買って予想しますが、レースによって発売馬券が異なります。
5頭立て、7頭立てなどが多く、基本は馬単三連単で、馬連・三連複は多頭数にならないと発売しないようでした。
場内のテレビでは全米の他の箇所の競馬も中継しています。
本馬場入場時のファンファーレをおじさんはひとりで演奏しているのが印象的でした。

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お目当てのセクレタリアト銅像パドック中央のため近接撮影はできず。
6時前の9レースが最終レースでした。

帰りはBelmont Park発のバス(Q02)がJamaica行きなのでこれに乗りました。
どうやらこれは競馬開催とは関係ないようで、普通に15分おき。夜中も30分おきに出ている路線バスです。
乗降客はほとんどが周辺の住民です。地下鉄と同じメトロカードが使えて便利です。
Jamaicaに到着しましたが、ここはバスのターミナルステーションで、電車や地下鉄の駅は全く別のところでした。Jamaicaは非常に活気のある商店が多い大都会です。いたるところで叩き売りの声が聞こえてきます。イメージ的にはアメ横か東南アジアの街のようです。街行く人はもちろん90%以上黒人です。
始めての人が駅からバスのターミナルまで歩くのは少し難しそうです。Q02の途中の停留所には、地下鉄Fラインの終点であるJamaica179 Stもあるので、ここからバスに乗るのが一番わかりやすいかもしれません。

New Yorkと言えど一歩郊外にでれば車なしではなにもできない土地でした。
治安の問題もあるので次回からアメリカ競馬は車で来場することとします。