ABU’s blog

世界競馬場めぐりと旧街道を行くの続編

世界競馬場巡り 第17回 年一開催・Far Hills Meeting

アメリカにもグランドナショナルがある、ということをどのくらいの方が知っているだろうか。

障害競走がほとんどないアメリカだが、東海岸ではごく少数行われているし、エクリプス賞には最優秀賞障害馬もある。しかしアメリカの競馬場を思い浮かべて障害コースは普通存在しない。

それもそのはず。障害競走は多くの場合まったく別の場所でおこなわれるからだ。

 

今回訪れたニュージャージー州のFar Hillsでも、年に1回だけ競馬が開催される。レースは障害6レース、平地1レース。

馬券はネットでは買えるが、現地での紙馬券購入手段はなし。紙で購入するには別の場外馬券場などであらかじめ買っておく必要がある。

 

しかしこの開催、競馬はおこなわれているのだが、どちらかというとパーティーがメイン。多くの若者が爆音の音楽を掛けながら飲みまくり踊り狂っている。DJまでいる。

家族連れは駐車した車の後部ドアを開け放して、そこで小規模なパーティーをおこなう。これはアメリカのスポーツイベントでは定番なのだが、Tailgate Partyと言う(辞書に出てこない用法)。

そんなイベントなのでトラブルも多いのか、現地には大量の警察が待機。

 

レースは小さめのハードルをいくつかこえるのだが、引き込み線がゴールという独特のコース形態。ペース、戦略、オッズ、何もかもわからないままレースが進んでいく。



レースは7レースでメインのGrand Nationalは6レースなのだが、パリピにとってはそんなことどうでも良いらしく、6レース開催時には結構人が減ってきていた。

 

ちなみにこの障害競走はサウスカロライナ州などのギャンブル禁止の州でも開催がある。その場合は馬券販売はなしで、単にパーティだけのようだ。

 

イギリスの競馬が社交場なら、アメリカの競馬はパーティというスタイルを地でいく年一開催。これはこれで独特の文化として継続していくのだろう。

 

参考) アメリカのNational Steeplechase Association

https://nationalsteeplechase.com